森に還す住まいを考える会社。協同組合「しそうの森の木」。兵庫県産木材の家づくり

知れば知るほど “杉の魅力”

<杉>

写真協同組合しそうの森の木の主力商品は兵庫県宍粟市の『しそう杉』です。八寸の通し柱が大量に採れるような高級ブランド産地ではありませんが、創意工夫をもって木の上から下まで余すところなく使い切る様々な建材を開発しています。
杉は他の木に比べて蓄熱や調湿の能力が高いのが特徴です。冬に育つ硬い部分で構造材としての強度を保ち、夏に育つ柔らかい部分(=空気を多く含む部分)で調湿したり蓄熱したりするのです。日本人の肌感覚に最もフィットする杉を仕上げ材に使うと、見た目の柔らかさと共に非常に快適な住空間に仕上がります。遠い昔から日本の建材の中心的な役割を担ってきた理由はそんなところにあるのです。

また近年、杉の驚くべき空気浄化能力が発見されました。東大寺正倉院の宝物蔵の絹織物が1200年以上美しい状態で保存されていた理由を研究していたところ、杉は環境汚染や健康被害の原因である二酸化窒素(NO2)を分解する能力が非常に高いことが明らかになりました。(※1)

写真「総桧(ひのき)造り」という言葉があるように日本人の桧信仰には根強いものがありますが、堅くひんやりとした桧だけでは寒々しい家になってしまいます。それぞれの木材の特徴をとらえ上手な使い方をすれば、快適で美しい家を建てることができるのです。

※1 大阪府環境情報センターなどの研究。通説では三角形の木材を使用した校倉(あぜくら)づくりに起因するとされてきたが、調査により絹織物を収めた『杉の唐櫃』の効果であることが発見された。


<人工林のチカラ>

「再生可能な資源」
森林には長期間の自然の遷移による天然林(原生林)と、木材供給を目的に数十年サイクルで計画管理さ れる人工林があります。日本の森林の44%は人工林で、内40%が杉です。
今、戦後の拡大造林政策で植えられたものが間伐・伐採期を迎えています。しかし出荷量は年間成長量の20%、全蓄材量のわずか0.7%に過ぎません。日本の「木材」は、再生不可能な外国の天然林を伐採・長距離輸送して消費し、短いサイクルで再生可能な国内の森林資源を放置しているのが現状です。木は余っているのに木材自給率22%(平成19年)っておかしな状況だと思いませんか?

「水源涵養・CO2固定化」
我々が活動する兵庫県の現状はさらに深刻です。56万haの山々が毎年180万立方メートルも成長しますが、県産木材の出荷量はその1/10にも満たない年間16万立方メートルです。兵庫県の人工林は杉や桧の緑で一見健康に見えますが、その内部は手入れ不足のため瀕死の状態です。荒れた山林は保水力を失い、中山間地域の土砂災害や下流域の浸水被害の危険性が高まっています。また木は成長段階では盛んに光合成を行いCO2を固定化しますが、成長し過ぎると隣木との干渉や呼吸量の増加で光合成の割合が減り、逆にCO2を放出していきます。


<売るための国産材 or 山を引き継ぐ国産材?>

写真近年の国産材ブームにより木材自給率は再び上昇カーブを描き始めていますが、そのブームにより山の現実はより深刻なものになっているのをご存知でしょうか?今売れ筋の“国産材”というブランドを相場に乗じてとことん安価に仕入れる“山への再投資の無い皆伐”により日本の林業はいよいよ崖っぷちに立たされています。数十年にわたる手入れ手間に不釣合いな僅かの収入を最後に、山から手を引く人が後を絶ちません。

協同組合しそうの森の木では伐採〜木材商品までを一元管理し、徹底的なコストダウンに取り組むことによって「山に適正な価格を還す林業」を行っています。あなたが家を建てる時、もし同じ価格ならどちらの木を選びたいですか?皆様に喜んで選んでもらえる、ブレの無い林業経営を後世に引き継げるようにこれからも挑戦し続けます。